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を2班に分けたわけですが、やっと軌道に乗ってまいりまして、週3回の割合で塾生、スタッフによる公演の打ち合わせ、けいこへと入ったわけです。5月からは、毎日のように塾生、スタッフ、キャストが仕事を終えては劇場に足を運んでいただきまして、夜遅くまで頑張っていただきました。でも、なかなかこの時期に入っても仕事の関係で時間どおりに集まらない、人数もそろわないということで、演出家等は大変心配していたものであります。私自身も経験がないものですから大変危機感を持っていたわけですが、塾の回数は3月までに約14回開催しましたし、グループごとにミーティング50回以上を超えて本公演を迎えました。
次の本公演の実施状況でございますが、公演名が「祝祭塾」第1期生プロデュース演劇公演「登り米の伝説」ということで行いました。平成8年6月9日にそれぞれ大小ホールで3回、2グループによりまして全く異なった公演を同日開催いたしました。「登り米の伝説」を、大ホールで公演したグループは、農村に生きる人々に例えましてリアリズムで地域に生きる意味を問う内容ですし、一方では小ホールで公演したグループは、これを寓話ととらえ、幻想的に人間の内面に生きる喜びとは何かを問うそういう内容でございました。ミュージカルをやろう、オペラをやろうといういろいろな声も出ていたんですが、最終的には基幹産業でございます米でございますが、米ということで米にまつわったそういった内容の公演でございました。あと演目・出演はご案内のとおりでございまして、小学生から63歳までの方で当日公演を行ったわけです。
最後になりますけれども、所感といいますか、課題なんですが、ここにずっと書いておきました。初めてなので何もかもやるものすべてが初めてということで、1期生あるいはスタッフに大変な苦労がありましたし、練習もなかなか思うようにできなかった。全員がそろって通しげいこをしたのは前日だけだったような、そういった気もします。でも何事もなく無事公演を終了してほしいなということで思っていましたら、初めての公演としては成功ではなかったのかなと思いますし、その日は1期生キャスト、スタッフの皆さんも疲れ切った表情を見せずに、大変満足感であったように思いますし、打ち上げもその日は大変遅くまでやりました。
1期生が修了しまして、この1年間、多くの仲間との出会い、舞台をつくることの楽しさ、苦しさを学んだものと思います。この経験を生かしてさらに地域で文化振興のリーダーとなって活躍していくものと期待するものですが、平成8年6月28日に1期生の卒塾をしまして、今その1期生の何人かは演劇団体でまた活躍しているとか、これからその仲間

 

 

 

 

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